なぜ冷たくして食べるのか

そうめんは冷たくして食べる。

この食べ方がそうめんを一番美味しく食べる方法だと誰もが思っています。

ただ、今一度、なぜ冷たいそうめんがスタンダードなのかを考えてみても良いはずです。

そこには絶対的な理由があるのですから。

一般的なそうめんの製法と、一般的なうどんやそばの製法の決定的な違いは、「伸ばすか切るか」にあります。

そうめんもうどんも元々のルーツは索餅であり、ここから麦縄という麺状の物へと変化していきます。

鎌倉時代からは油を使って麺を伸ばす製法が伝わってそうめんが出来上がっていく一方、小麦粉だけで作る切り麦といううどんの原形が作られていきました。

つまり両者を分けたのは「油」です。

生地を細く長く切らずに伸ばすための油、うどんはそうめんほどの細さを追求しなかったので、油を使わずに包丁で切るという製法が出来上がったのでしょう。

そうめんは必ず茹でてよくよく水洗いするのは、この油の匂いを落とすためでもあります。

そうめんに油なんて?と思うかもしれませんが、ごく一般的なそうめんはパッケージの裏側にある食品表示に「油」が記載されているはずです。

にゅうめんやそうめんサラダなどであっても、一度ゆがいてよく水洗いしてから調理します。

乾麺のうどんでも手順は同じですが、単なる小麦粉のぬめりとそうめんのぬめりには違いがあるのです。

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