お中元にそうめんを贈る風習

お中元、お歳暮は元々道教に由来する風習で、お世話になっている目上の方や親戚などに感謝して贈り物をするものですね。

特にお中元の品に選ばれるのが、そうめんです。

お歳暮にそうめんを贈る事は無いです。

それはそうめんが夏の食べ物として世間一般に認識されていることの表れでしょう。

感謝の気持ちを込めて贈る物ですから、やはり、それなりのものが選ばれる。

そうめんは夏の風物詩であるとともに、上等な食品として捉えられているとも言えますし、熟練の技を必要とする手延べそうめんの中には希少価値が高く正に高級食品なりの値段がついているものも少なくありません。

そうめんの歴史を紐解けば、そうめんが庶民の食べ物というより、藩主や将軍、果ては宮廷にまで献上されてきた食品であったことが分かります。

製法が安定してきた江戸時代には、ひき臼によって製粉された小麦を使って作られるそうめんはぜいたく品とされ、農民が食すことを禁じていた記録が残っています。

美しい絹糸のような手延べそうめんを作るためには大変な手間と職人の繊細な技が必要です。

その芸術品のようなそうめんが位の高い人々に愛でられたことは想像に難くないでしょう。

それから時代は移り変わっても、手延べそうめんの伝統は受け継がれ、高級品であったそうめんは庶民の食べ物でありながらも、お中元の定番に選ばれる贈答品の地位を保ち続けているのです。

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